鎌ケ谷市の後期基本計画に関する団体懇談会について
先月(2008年7月下旬)鎌ヶ谷市が主催する「後期基本計画 団体懇談会」が市内の団体やNPO法人などが参加して、市の総合福祉保健センター6階大会議室で行われた。当日の懇談会には当市の清水聖士市長も出席された。
懇談会の実施内容は約2時間ほど、最初に市側から今までの(前期基本計画)実施状況と後期基本計画の基本的な考え方の説明があった。それまでに市のコミュニティセンター数箇所に於いて同様のヒアリングが実施されている。市長による説明の後、当日参加した各団体、NPO法人などの代表者から、後期計画についてヒアリングが行われた。
この基本計画は、長期的なまちづくりの指針として、鎌ケ谷市の市民と行政が一体となって創造するための「鎌ケ谷市総合基本計画」であり、「かまがやレインボープラン21」として2001年から2020年までの20年間に渡る長期計画である。前期は2001年~2010年(平成13年~22年)まで、また今回の後期基本計画は2011年~2020年(平成23年~32年)までの10年間である。期間中の実施計画は5年間毎に作成され、実施から2年経過する毎に状況の変化に即して(修正)実施計画が、2年毎に作成される。従って後期基本計画10年間中には第5次実施計画~第8次実施計画までが作成されることなる。
2020年に鎌ケ谷市を取り巻く環境としては、次の4項目を想定している。
1.今よりも進む「少子高齢化」
2.さらに活発になる「市民との協働」
3.確実に増す「にぎわい」
4.市町村合併について
「かまがやレインボープラン21」で、3つの基本目標として挙げられている。
*「人間尊重・市民生活優先」緑とふれあいのある ふるさと 鎌ケ谷
①健康で生きがいのある 福祉・学習都市
②自然と社会が調和する 環境共生都市
③躍動感と魅力あふれる 交通拠点都市
2008年現在の前期基本計画の進捗状況としては、「主な事業目標」計上数=70事業の内、完了した事業は19事業(27%)、完了見込み事業は17事業(24%)、未着手事業は10事業(14%)と報告された。この事業目標が大幅に達成遅れを生じている原因は、日本経済のバブル崩壊後10年を経て、2002年から始まる、右肩上がりの成長に基づく市の財政基盤収支見通し。
しかし、見通しに反して①鎌ケ谷市の人口増加は(2010年度)11.2万人→10.6万人(-6000人)との乖離見通し。②財政推計の乖離(10年間)税収不足による実施予算の大幅削減 600億円→300億円と大幅に減少している。
ついで、市側から説明された「後期基本計画の基本的考え方」として、以下の項目が挙げられている。
*【大前提・・・持続可能な行財政運営の担保】
①「あれもこれも」という計画から「事業の重点化」を図る計画へ
②行政だけでなく「市民との協働」で達成する計画へ
③計画策定後も評価と進行管理を絶やさぬ計画へ
1.《今より進む「少子高齢化」》として、2022年までの鎌ケ谷市の人口構成は、生産年齢人口(15歳~65歳)2000年70%台前半から2022年には59%まで減少、逆に65歳以上の高齢者人口は2000年10%台前半から28%と約3倍弱にまで増加する見通しである。
《少子高齢化の影響》として、①より少ない支えてで、より多くの高齢者を支えることになる・・・2000年は、約6人で1人の高齢者を支えていた→2017年には、約2.2人で1人の高齢者を支えることになる。②市の資源の重点化がますます重要に ③地域で活躍する元気な方々が増える
2.《市民活動活発化による期待》①「定年後世代」の方々が地域社会の「担い手」に ②より市民ニーズに応じた「公共サービス」の提供が可能に ③市民の力で、小さな自治体を実現
《さらに活発になる「市民との共同」》①平成17年3月「市民との協働戦略プラン」策定 ②協働による市民の「安全・安心」実現 ③NPO法人の活動
《団体への期待》「新しい公共」担い手として、小さな自治体を目指す中で、行政の担う分野と公共に関わる分野では、「新しい公共空間」として、地域の協働や行政の仕事の見直しにより業務のアウトソーシング化を図ることにより、新たなビジネスチャンスが創出される。
《事業の担い手の整理》市の全ての事務事業(約370)について、民間移管の検討を開始、平成20年末頃目標に「民間にお願いできるもの」を整理して示す予定。
3.《確実に増す「にぎわい」》2010年(平成22年)成田新高速鉄道の開通、北千葉道路の整備などにより、新鎌ケ谷駅周辺の地域開発と交通の要所となる鎌ケ谷市内への企業進出による税収増も期待できる。
2020年の鎌ケ谷市のイメージとして:
①にぎわいと国際色もある街「鎌ケ谷」
②市民の力で安心して暮らせる街「鎌ケ谷」
4.《市町村合併について》
市は、近隣市とともに「東葛広域行政連絡協議会・政令指定都市問題研究会」及び「東葛飾・葛南地域4誌政令指定都市研究会」の研究会に参加し、「合併及び政令指定都市」研究課題について研究を行っている。
上記の様な内容で、清水市長から後期基本計画の基本的な考え方について説明があった。
その後の、質疑応答に関連して清水市長や財政担当責任者の方から、説明の補足がなされた。
この「かまがやレインボープラン21」は、清水市長が平成14年就任以前に策定されていた。レインボープラン21が始まる前年(平成12年)時点で実施が計画の1/2程度であった。
後期基本計画実施時期には、働く世代に市の税収を依存しなければならない。個人の市民税は減少過程にある。後期の10年間では前期の300億円からさらに減少して200億円レベルの予算しか組めない状況である。参加者の質問で、現在鎌ケ谷市の人件費はいか程になっているかの質問に対して、千葉県下では鎌ケ谷市の人件費は県下でも下位に近く低い。他市に比べて職員の高齢化が進んでいる。市の人件費は70億円/年で前年度に比較して-3.5億円削減をしている。また、市の議員定数も3名削減する事が決まった。
行政としても、市の若手職員(13名)を中心に①地域の活性化案 ②税収の増収策 ③企業誘致など提言するプロジェクトを発足させた。
以上の様に、清水市長及び市の財政担当責任者及び企画部門の責任者より説明と質疑応答がなされたが、この後期基本計画についての参加団体の質疑応答については、いささか期待に反するものであった。
出来れば、将来の市の財政や事業について感心の高い市民の参加を募り「総合基本計画審議会」の中で、市民生活に直接関わる重要な政策検討事項として、行政側と十分に議論していただきたいものである。
最後に、この団体懇談会に参加して感じたことを記述しておきたい。
実は、本年3月に大学生による「鎌ケ谷市の財政事情『ザイバク2007-2008白書発表会』」に参加して、ある程度鎌ケ谷市の財政事情は理解していたつもりである。内容については、このページのブログ2008年3月16日付けの記述内容を参照願いたい。学生による財政白書プロジェクト「ザイバク計画2007-2008」は鎌ケ谷市内に在住する大学生が中心となって発足させたものである。
学生たちの財政事情白書で指摘するように、鎌ケ谷市は他市と比較しても決して財政事情は健全でなく、赤字転落は時間の問題とされていた。本年度の市の予算編成では、清水市長も市長や幹部職員の給与削減にも大胆に踏み込み、市職員にも応分の人件費削減を求めた。更に本年度事業の大幅見直しを行い、事業支出計画の削減に努めた。不況時には民間企業では、業績回復の為、人件費抑制のリストラやコスト削減、事業の抜本的な見直しなど思い切った処置を講ずるものである。
赤字転落をした北海道の夕張市の様になる前に、市の財政改革を実施して早急な対策を講じること事には異論は無い。しかし、市の職員も鎌ケ谷市内や周辺市町に在住する市民でもある。緊急対策としての昇給カットや賞与削減には、当事者として我慢も協力も止むを得ないと納得するであろう。出口の見えない職員の年収削減には我慢の限度もあり、市職員の職務遂行意欲の低下につながる恐れがありはしないだろうか。
このブログの前半に記述した様に、市側で若手職員を中心とした財政改善提言プロジェクトの立ち上げも、職員のモチベーション向上に有効であろう。現在の市の給与支給枠に捕らわれない、職員の意識改革と行動力を促すモチベーション(動機付け)とインセンティブを思い切って導入してみてはどうだろうか?
例えば、本年度事業を実行する中で担当部門の創意工夫により、質を落とさずに当初事業予算枠内で大きく実施事業の事業費を抑制する事が出来れば、その分市の事業費の支出は削減されるわけであるから、これらの実績を評価して賞与や年度の昇給に加味される等のインセンティブの導入である。
さらに単年度事業ではなく継続性があり累積効果の期待できる新規事業や、税収増加のための各種制度の導入(企業誘致、退職者の起業活動支援策、市内でお金が回る仕組みなど)、現在行政の担当する各種業務の外部委託化は検討されておられるようだが(民間、公益団体、NPO法人、専門性を持った市内の起業家など)大胆な財政改善策を検討し実施されては如何だろうか?
鎌ケ谷市が北総の交通の要所として地理的条件を活かして、周辺の大きな市とは異なる、緑豊かな自然環境を活かした特色ある街づくりに務めて頂きたいと切に願うものである。
市の財政改善の各種取り組みも、2年毎の事業見直しの中で効果のあったものは継続し、効果が期待値を大きく下回る分野は再検討の過程で修正の上継続か撤収を決断すれば良いと思う。要は一度計画を立てたら、計画より外れてきても途中で再評価もせずにそのまま継続するような、政府の官僚的な仕事とは決別すべきあろう。
後期基本計画の策定に当たり、広く市民や市内の各団体などからヒアリングを行い、市の財政改善や事業施策に反映させて行こうとするものだが、市の厳しい財政事情を抜本的に改善する大胆な改革案を、危機意識を持って全ての市職員が改善に取り組み、その改革遂行のプロセスで職員の意識改革を実践すればそれこそ一石二鳥である。
(投稿:S.K)
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