政権交代で国会中継が面白くなった。

 Primihatoyama 10月26日から11月30日までの36日間、与野党逆転して初めての臨時国会が開催された。27日の鳩山由紀夫内閣総理大臣の所信表明演説は歴代最長の52分にわたる演説が行われた。対する自民党の谷垣禎一総裁より野党の代表質問が行われた。鳩山首相からは戦後長らく続いた自民党政権が、今回の選挙で政権交代し明治維新に次ぐ平成維新だと、脱官僚を意識した自分の言葉による平易な所信表明であるが、中身のあいまいさと冗長性が否めない。

 一方野党に下野した自民党の谷垣禎一総裁の代表質問に対し、鳩山首相が厳しい言葉で前政権の失政を逆に指摘し受け流したが、これに対する谷垣総裁の追質問による攻撃の手は迫力を欠いた。このところ政変交代と漸く開かれた臨時国会での質疑応答の様子も、従来の代表質問と比べて様変わりして、なかなか国会中継も面白くなってきた。

 これだけマスコミや国民が、国会の質疑応答に対して関心が高く注目されると、国会議員の一人一人が常日頃から民意を吸い上げ、情報収集と議案について良く勉強をしていなと、議員の資質評価に対する厳しい世間の目をごまかす事は出来ない。

 鳩山総理の表明する日米対等の同盟関係構築の上で、沖縄県普天間基地の移動先の問題、海上自衛隊による同盟国艦船への給油廃止に代わる、次の国際貢献策をどのように日米で決着させようとしているのか。今月オバマ大統領の訪日にあわせ、鳩山総理のウルトラCによる問題解決に繋がるのか気になるところである。

戦後政権を担ってきた自民党政権も日米同盟の下、思いやり予算がどんどん膨らみ今では年間3667億円(H21年度予算:在日米軍駐留に関連する経費 参照:防衛省ホームページより)にまで拡大している。米国にとって日本はそれこそ軍事費の打ち出の小槌であった。しかし、政権が変われば日米同盟政策の見直しがあって当然であろう。その意味でも、今回の鳩山内閣が米国に対して突きつけた見直し論は、両者に緊張感をもたらすが外交は交渉事であるから当然であり、両者が交渉によってどう決着を付けていくのか日本の外交手腕が問われている。

 昨年9月のリーマンブラザース破綻ショック後、世界同時不況に陥り各国政府やG8・G20など国際会議で経済対策の協調と自国経済の下支えに巨額の資金を投入し、漸く世界的な経済不況からの脱出も見えてきたが、世界的にも消費不振に伴う企業の生産調整が続き、労働人口の余剰感はぬぐえず、そのため可処分所得が減って消費が伸びずにデフレスパイラルに落ち込みそうだ。日本国内でも暫く辛抱すればやがて経済は上向くとの期待は余り持たない方がよい。なぜなら物が売れないから、海外など安い労働賃金のところに企業が進出し、資材や労働力を現地調達し、完成した安い商品を国内に持ち込み販売、また発展途上国や新興国では低価格な商品でも、消費者需要は拡大しているため現地で販売して企業の売り上げと収益の確保を図るからである。

 鳩山政権は内需指導型の景気復興策を目指しているが、労働人口の主な吸収先は企業であり、この企業が収益確保のため海外進出を恒常化すれば労働人口の大きな受け皿が無くなる。弱者救済の為、国による国民一人ひとりへの直接支援は一時的に有効であっても、継続的な財源の裏付がない救済策である。与党政権は政策を内需振興による需要創出(環境・IT・エコ・教育・健康・介護・長寿・農業・林業・漁業・サービス業など)と、企業が海外で稼いだ収益の国内還元策を図り国内の労働人口吸収策を早く打ち出してもらいたいものである。
                                             (M太郎)

|

生活安定を第一に望む国民の期待に鳩山内閣は応えられるか?

 鳩山由紀夫氏が第93代内閣総理大臣となった閣僚人事が先月16日に発表され、連立与党の閣僚には政策通の実力者が顔をそろえている。野党時代からシャドーキャビネットを作って政策を研究し、政権担当の暁には政策を実行できる様に日頃から実力を養ってきたのだろう。

 政権スタート間もない鳩山首相の外交デビューがなされ、新しい日本の指導者として国連の舞台で温暖化ガス削減目標として意欲的な2020年までに1990年比25%の削減発表が世界から歓迎された。

 9月24日、米国が議長を務める国連安全保障理事会では、オバマ大統領がチェコ訪問時に述べた「核なき世界」実現に向けて、今回の理事会で全会一致で「核兵器無き世界」を目指す決議を首脳会合で採択したことは、人類にとって世界平和実現に向けた前進への第一歩である。
 1962年のキューバ危機を核戦争勃発の極限とする冷戦時代から、今日既に安保理5大国(アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国)に加え、核開発国としてインド、パキスタンとイスラエル(核保有は明らかにせず)が存在し、更には核兵器の開発が進む北朝鮮、イラク(核物質の貯蔵)など人類にとって大変危険な核の拡散が始まっている。核兵器が強奪されテロリストによる使用が今世界で最も恐れられ、少なくとも核兵器や核物質がテロリストの手に渡らない様に核保有国の厳重な管理体制が求められている。

 今回の国連安全保障理事会に非常任理事国として出席した、鳩山首相が日本は非核三原則を守り、核兵器を持たないと明言した事は大変重要なメッセージを世界に発信したこととなる。政権交代の以前に自民党内部でも北朝鮮の核開発とミサイル試射の緊迫した状況の中、我が国でも独自に核兵器開発の選択肢も検討すべきだとの発言があって、アジア近隣諸国にまた新たな緊張をもたらすのではないかと心配されたが、核兵器開発能力を有する我が国が、鳩山首相の「核を持たない」との発言は平和国家として日本が進むべき正しい方向だと思う。

 世界各地の紛争地域で、紛争当事者間で相手を武力でいくら押さえ込もうとしても決して解決にはならない事を理解して、紛争地域で戦争の被害を一番に受けている民衆を味方につけて、時間がかかっても平和的な方法で問題解決を図る以外には道が無いのではないか。その意味でも従来の超大国アメリカの一国主義的な軍事行動を伴う対処方より、国連を中心とした世界各国の合意形成の元に、紛争当事国間の問題解決に当たるのが解決への近道ではないかと思う。政権を交代して新政権が取る新しい外交方針は、欧米諸国が求めるブーツオンザグラウンド(国旗を示す)の軍事支援でなく、日本が得意とする民生分野での国際協力が結局、長い目で見て紛争当事国の国民に受け入れられるのではないか。日米同盟の重要さに代わりはないが、日本独自の平和外交も新政権移行を期に積極的に進める事が、世界に果たす日本の役割として受け入れられるのではないかと思う。

 政権交代をしてから間が余りたっていないが、前政権が残した課題は山積みである。問題を担当する各省庁の担当大臣や副大臣に政務官と、このところ休日返上で対応に当たっている。政権が変わって目新しく感じるところは、政権公約でもある官僚の作った問答集に頼らず、自らの言葉で記者の質問に答える姿勢であろう。旧自・公連立政権で長年続いた政権運営の手法の弊害を、今回政権を担う民主・社民・国民新党の連立政権で、是非マニフェストで公約した思い切った改革を押し進めてもらいたいものだ。今のところは新しい切り口で従来に無い斬新な政策を打ち出し、国民の評価も概ね評価されているようだが、新政権が発足してから100日間はハネムーン期間としてマスコミも国民も大目に見てくれる。しかし、期待した改革が停滞する様だと厳しい評価が下され、来年の参議院選挙戦にも影響が及ぶ事を覚悟しなければならなくなる。

 先日もテレビ朝日の「テレビタックル」を見ていたら政権交代と共に、テレビスタジオのゲストの座る席が、与党側と野党側が入れ替わったのには笑ってしまった。毎回番組の中で、ゲストの政治家とコメンテーターとの激しいやり取りがこの番組の売りなのだが、与野党議員の入れ替わりで、今まで政策追求する方が今度は追及される側に回り、下野した自民・公明側の議員の厳しい政策論争がまた期待される。先日のゲスト出演をしていた与党議員からテレビタックルで鍛えられたと発言も出ていたが、やはり日本人が不得手とする表現力や説得力などマスコミのTV出演で相当鍛えられる副次的な効果もあったのでないかと思えた。

(投稿:M太郎)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月 衆議院選挙で山が動いた!

 8月30日(日)第45回衆議院選挙が終わり、即日開票が行われた。投票率も69.28%と最近では最も高い投票率であり、開票の結果、その日の午後11時頃にはほぼ体勢が判明し、自民党と公明党の連立政権の大敗である。

 今回の選挙で議員数が大逆転した民主党が308議席、連立を組む予定の社民党は7議席、国民新党3議席を獲得し、衆議院の過半数以上を確保した。対する自民党は119議席、公明党は21議席に加え、与党の大物政治家といわれる先生方もまさかの落選続出である。

 今朝の報道番組でも、大敗した自民党と公明党の敗因と民主党の大躍進について解説を行っていたが、大方の国民が与党政治に対して抱く不安と不満が、従来の自民党支持者や無党派層の半数近くが民主党に流れ、結果として小選挙区・比例代表制の衆議院選挙では前回の自民党大勝から一転して民主党大勝利へと導く結果となった。しかし、民主党に投票をした国民は政権交代による改革への期待が大きいだけに、果たしてマニフェストに書かれた通り公約を実行してくれるのか、又政権担当能力があるのか一抹の不安を感じているのも事実であろう。

 今回の衆議院選挙結果は、海外に於いても大きく報道され、戦後は自民党政権が64年近く(1993年に細川政権の短い政権交代があったが)続いた保守政権から、チェンジを求める国民の選択によって野党の民主党に政権が移った、名実共に新しい日本の二大政党政治の実現として評価されている。特にお隣の中国や韓国からも民主党政権に対する期待も大きい。米国ではオバマ政権も日本の新しい民主党との良好な日米関係の構築を期待している。西欧諸国(英国・ドイツ・フランス)でも衆議院選挙による政権交代を評価をしているようだ。

 今回の選挙結果によって、これから政権を担う民主党・社民党・国民新党の連立政権は、世界的な経済不況が続く中で、経済再建と失業・年金対策・少子高齢化など国民の生活に対する不安払拭が急務で、課題解決に向けた政策遂行力が強く求められている。

 衆議院の定数480議席に対して、与党となった民主党の勢力は308議席となったが、その中では政務担当経験者は1/3程度で、全体の50%近くは未経験の新人議員である。政党の議員の平均年齢は幸いにも民主党は49.4歳と自民党の平均年齢56.6歳に比べて7歳近く若く行動力や柔軟な発想力が期待できる。政権引継ぎ後は速やかに新人議員の教育と実務体験を通じた即戦力への人材育成が重要であり、4年後には改選が待ち構えている。それまでに議員としての政策課題解決の実績を残す事が出来なければ、小泉チルドレンと同様に、次回選挙では消え去るのみとなる。

 マニフェストによれば官僚任せでは無く、国家戦略局の方針に基づき政策を実行するため与党議員から100名ほどを政務を担当する部署に配置するとの事であるが、船頭多くして船山に登るの喩えにならぬ様に意思決定や情報の共有・調整などきめ細かな制度運営上の仕組みを整えることが求められる。いずれにせよ今までの自民・公明連立政権には無かった運営方法なので、新しい政策運営の手法として是非成功に導いて欲しいものだ。

 民主党の衆議院選挙での大勝利は、国民の期待感の表れである。国の閉塞感を打破する上でも、旧来の政治手法に捕らわれず大胆な改革を進めて、是非国民の期待に応えて欲しい。失敗すれば次は(大敗しか)無い事を肝に銘じて。

(投稿:M太郎)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第64回終戦記念日に思う。

 企業の夏休みも終わって、17日からは通常勤務にもどる。子供達はまだ夏休み中でだが、遊びすぎて宿題も進んでいない子供は気が重いことだろう。

 今年の夏はエルニーニョの影響で、日本は冷夏に見舞われ野菜が日照不足で高騰している。また晴れた日が少なかったためにどこの海水浴場も客が大幅に減って売り上げ不足に苦しんでいる。百貨店でも夏物の売り上げも伸びずこのところずっと販売が低迷をして大変だ。また、冷夏の影響で今年の冬は暖冬になると予想され、気象変動による景気への影響も心配がされている。

 さて、いよいよ18日から衆議院選挙の公示となって厳しい選挙戦が本格化する。8月30日投票締め切り後、民意としてどのような選挙結果が出されるのだろうか?このところ毎日の様にマスコミ各社(TV・新聞)で与野党のマニフェストが掲載され、その政策の違いを読者に分かりやすく解説をしている。果たしてその内容を国民がどれだけ理解しているかは分からないが、少なくとも今回の選挙については無党派層も含め選挙への関心は高く、投票率は以前に比べてかなり上昇するのではないだろうか。

 30日の選挙結果によって国民の信任を得られた政党が政権を担う事になるが、各政党のマニフェストに余り示されていないが、中長期的な視点にたった政党が目指す「将来の日本国の姿」を示して欲しいものだ。

 街中でのアンケートでは、国民の大多数が国民生活の不安と社会の閉塞感」を解消できない与党に対して、政権担当の実績がない野党に少し不安はあるものの、国民生活の向上や行政改革実現に期待して、一度野党に政権交代をさせてみたいとの思いが強いのではあるまいか。

 ところで、お盆のこの時期は鎌ヶ谷市内でも交通量が大幅に減り、街中を歩く市民も減ってすごく静かな盆休みだった。筆者も市内からどこにも出かけずもっぱらTVを見て過ごす時間が多かった。その中で今年64回目の終戦記念日に当たる8月15日前後には、多くの局で先の第二次世界大戦特集を報道していた。最大の核保有国であるアメリカのオバマ大統領が、今年チェコで”核兵器の無い世界を目指す”と演説した事は世界の人々に希望を与えた。

 当時20歳前半で徴兵をされた多くの兵隊さんもだんだんと生存されている方が少なくなり、既に80歳以上となって戦後ずっと封印してきた重い口を最近ようやく開き、戦時中の自らの戦争体験を語りだした。「上官の命令は天皇陛下の命令である」と叩き込まれた兵士にとっては、戦地での上官の命令には絶対服従しか無く、自分の意思に反して過酷な(民間人を含む敵の殲滅、処刑など)体験を強いられ、戦後ずっと罪の意識を背負い今日まで過ごしてこられた元兵士の方たちの貴重な証言がなされている。その中で「戦争だけは決して起してはならない」と言われている。

 元海軍の中枢・『軍令部』のメンバーが中心となって秘密裏に開いた会合「海軍反省会」の非公開テープが公開された事によって、先日のNHKの報道番組(8月9日~11日)「NHKスペシャル【日本海軍 400時間の証言 第一回 開戦 海軍あって国家なし】【第二回 特攻 やましき沈黙】【第三回 戦犯裁判 第二の戦争】を放送した。その中で太平洋戦争の開戦の鍵を握った大日本帝国海軍・軍令部が何を考え基本作戦の立案・指導にあたっていたのかの証言などを聞くと、無謀にも勝算無き戦争へ突き進んで行った事がわかる。

 戦争指導者の無謀な計画に踊らされ、出兵した多くの兵士は外地で昭和19年以降急激に戦死者を増やしている。終戦末期には外地や沖縄を含む内地の民間人も多数死傷。戦後復員した多くの軍人や民間人、内地で原爆投下や焼夷弾の爆撃の被害にあって肉親を失った多くの国民が、戦争は二度と起さないと誓って平和憲法の下、戦後64年他国と戦いをする事無く平和国家・経済大国として過ごせたことは、日本国民として誇りに思い大切にしたい。

 近年の北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射に伴う、隣国の脅威から自国を守るために防衛力を強化し、場合によっては敵基地を先制攻撃する様な勇ましい?意見も国会議員からなされているが、もしその様な攻撃行動に出た場合の確かな終息方法はあるのだろうか?またぞろ旧日本軍の様に出口戦略も無いずさんな計画で国民を戦争の危険に巻き込まないで欲しい。

 あの太平洋戦争の敗戦で誓った、二度と他国と戦争はしないを肝に銘じて守りたいものだ。日本が世界に貢献すべき事は、軍事力で力を示すことではなく国連を舞台とした外交力や政治力で紛争当事国への仲裁や発展途上国への援助や自立するための教育・技術指導など経済力や環境技術力を生かした役割を担う事であろう。

 戦後64年、戦争を体験した国民が1/3以下となる現在、戦争の悲惨は映像を通してしか知る事が出来ない世代が大多数を占めるようになった。終戦記念日に改めて平和国家の有難さを心から感謝したい。

(投稿:M太郎)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

次期政権を担う政党は、チェンジを待ち望む国民の期待に応えられるか?

 先月のブログで、都議選の行方はどうなるかと書いたが結果は与党が議員数を大幅に減らし、野党が大きく議席を増やすこととなった。これで石原都政もかなり議会運営でやりにくくなったのではなかろうか。

 Election01 麻生内閣もようやく7月21日議会を解散し、8月18日選挙公示、30日投開票のスケジュールで衆議院選挙戦モードに突入した。マスコミによる支持政党の世論調査でも前回の参議院選挙で与党が大敗した流れは変わらず、衆議院選挙戦でもこの流れは変わらず、むしろ一層流れは強くなってきているようだ。国民の大方の思いが今度は一度野党に政権をゆだね、所得格差・年金問題・医療費問題・失業問題など将来に対する不安が大きなこの社会で、何とか将来に希望が持てる打開策を示して欲しいとの気持ちが、政権交代を期待する流れに向かわせているのではないだろうか。

 今回の衆議院選挙で野党側が政権奪還のチャンスが現実味を帯びてくるに付け、今までは反対勢力として与党の政策に反対を突きつけていれば野党の存在感を示すことが出来ていたが、いざ本当に政権を担うようになった場合に政権与党としての役割を果たせるだけの実力があるのだろうかと一抹の不安も覚える。特に外交政策面で、現政府の外交政策との継続性・整合性と外交対応力である。

 今度の衆議院選挙戦は、日本国のターニングポイントとも位置づけるくらい大きな政治潮流の変化の時期に当たる。選挙権を持つ一国民としていづれの政党を選ぶにせよ、良く考えて貴重な1票を投票したいと思う。

 最近読んだ著書「日本・米国・中国 団塊の世代」著者:堺屋太一 (編著)
淺川 港、ステファン・G・マーグル、葛 慧芬/林 暁光 出版文化社
定価1,680円 は(日本・米国・中国)三国の団塊同世代が、それぞれの60年ほどの人生をどう生きたか比較する本書は興味深く面白かった。ベトナム戦争を経験した米国のベビーブーマー、文化大革命の嵐に翻弄された中国の老三届世代。高度経済成長期に過ごした日本のぬるま湯団塊世代。

 そして、団塊世代当事者の彼らも既に60歳に達し(心も身体もまだまだ元気であると思っているが)65歳に至るまでに段階的に年金生活を迎える年齢となった。

 今朝の朝日新聞7月25日(土)に麻生首相が身内の会合で「65歳以上の人たちは元気に働いていられるという、健康を持っている人。介護を必要としない人は実に8割を越えている」その上で「その元気な高齢者をいかに使うか。この人たちは働くことしか才能がないと思ってください」と発言し、早速野党党首から批判を受けている。

 麻生首相の失言はともかくとして、当事者である団塊の世代を含めて幸いにも年齢の割には、元気で健康で働く意欲のある人たちが多い。少なくとも60年以上の人生経験、社会経験を積んだ彼らのノウハウを活用しない手は無い。

 これからも、高齢者が元気で健康を長く維持できる様に、政府や自治体が健康管理体制を整備する事によって、高齢者医療費の抑制に繋がる。また元気な高齢者が、行政による適切な介護支援指導を受けて、75歳以上の高齢者の介護する老老支援の活動の道も見えてくる。

 少子高齢化のスピードが世界に類を見ないほど速く進んでいる我が国で、若者の晩婚化、出産率の低下が言われて久しい。また子育て中の若い世代に於いては、経済情勢が悪化する中、夫婦で共稼ぎしなければ生活を維持できない現状において、幼い子どもを勤務時間中に預かってくれる託児所・保育所の数も全く不足している。

 現在の育児支援制度の抜本的な改正には、関連する法律の改正と各種規制(業界を保護し新規参入を抑制するシステム)の緩和が必要である。その上に立って、専門知識・技能を有する保育士の待遇改善(賃金)によって、保育の仕事につく人たちの数を増やすと共に、前述の元気で働く意欲のある高齢者の活用と、社会貢献のモチベーションで保育に関わる人材不足を補うことも出来るのではないだろうか。

 しかし、介護や保育の人材がこれだけ不足している社会で、何故人材確保がままならないのだろうか? 現在は多くの若者が仕事が見つからず非正規社員・派遣社員・フリーター・アルバイトなどで不安定な生活を余儀なくされている。かって介護制度が導入された時期には、介護に関する専門学校や短期大学などに多くの若者が入学し・学んだ。しかし、現実には介護の職場環境は厳しく、いくら義務感に燃えて介護の仕事を続けようと思っても何年働いても給与水準が上がらないのでは、生活の目処も立たずその仕事を続けていく事は出来ない。そのようにして介護の仕事に意欲のある若者達も挫折して、他の職種に転職をせざるを得ないのが実情である。

 政府も一般国民の認識も、いまだ老人介護は家庭が主体で行政は介護の一部を支援すれば良いと思っているのではないか? 介護の人材不足を補うために最近インドネシアやフィリッピンから介護士を試験的に導入し人材不足を外国人の手(安い人件費)で補おうとする諸策は、本末転倒である。

 今日、産業構造の変化で多くの若者、中高年者が失業の憂き目を見ている中で、一方では介護・保育など将来にわたって国民の安全・安心を維持する上で必要欠くべからざる人材の確保が出来ないアンバランスを引き起こしている。この問題の解決方法は比較的単純である。すなわち介護・保育などに携わる人々の賃金を、製造業並の賃金に引き上げ、一般の会社で適応される各種賃金以外の制度(退職金・厚生年金・失業保険)の充実を図れば、自ずと人材は確保できる。しかし、これを介護・保育事業者の自助努力による負担に任せては実現不可能であり、政府・自治体による財政支援が必要である。

 いずれにせよ、我が国の産業は先進国への高付加価値・高価格の製品(自動車・IT機器など)輸出によって販売を伸ばし高収益を稼ぎ出せた時代から、昨年の米国発のサブプライムローン問題に関わる世界的な経済大不況で、先進国では高額商品の購買力が激減し、変って発展途上国や中国、インド等が先進国市場に変る有望市場へと移り変わってきた。これら有望市場では良質で低価格の商品が求められ、国内で生産していてはコスト競争に立ち向かえず、人件費の安い海外に生産工場や開発拠点を移し、結果的には国内の仕事が急速に減少して正規社員と非正規社員との所得格差や、失業問題を引き起こしている。

 時期政権を担う政党が、日本経済の建て直しを図り、日本を取り巻く世界的な経済課題を再評価して、将来を見据えた国内産業構造の思い切った変革を産業政策として打ち出し、日本国民に広く働く場の提供ができて安定した収入を得る機会を政治指導で是非作ってもらいたい。

(投稿:M太郎)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

混迷する政局の下、社会の閉塞感を打破する責任政党はいづれの手に?

 梅雨が明けるまでにはもう少し待たなければならないこの時期、政治の世界では本格的な夏に入る前に既に熱い戦いは始まっているようだ。

 Touhyou 6月の千葉市長選挙では、民主党が推薦する若干31歳の熊谷俊人氏が大方の予想を覆し千葉市長に選ばれた。4月は名古屋市長選挙で、5月はさいたま市長選挙で与党の推薦する候補が破れ、これで3連敗となる。次は静岡県知事選挙が7月5日投票日を控えている。首都圏の大票田である東京都都議選は7月12日が投票日となっていて、9月に衆議院の任期満了時期に合わせた前哨戦が俄然注目される。

 6月17日に発表した政府の月例経済報告では、景気の基調判断を「厳しい状況にあるものの、一部に持ち直しの動きがみられる」として、2ヶ月連続上方修正をしている。自動車を例に取れば、政府のエコカー減税などの経済対策効果が現れ始め、大手メーカーのハイブリド車は受注が好調で、工場の生産現場も忙しくなってきているようだ。また、個人消費も家電商品のエコポント導入による購入助成策や、定額給付金効果もあってか、一部で景気対策の効果が出てきているようだ。

 しかし、有効求人倍率は依然として下がり続けており、4月の失業率は5%にも達している。5月の失業率は5.2%と更に悪化している。有効求人倍率が底を打つまでにはまだ数ヶ月以上かかる見通しである。

 昨年9月、リーマンブラザーズ証券会社破綻から始まるアメリカ発の金融危機の世界的な拡大と経済大不況は、その発生の原因究明と各国政府の大規模な金融支援策によってようやく落ち着きを取り戻し、アメリカではグローバルな市場競争原理の暴走を抑える、金融政策もFRB(連邦準備(制度)理事会)を中心に、金融監督強化策に取り組み、規制の「抜け穴封じ」を行って顧客の保護と金融危機の再来を防ぐ取り組みに着手しだした。

 先日も、久しぶりに鎌ケ谷市の図書館に行って面白そうな本はないかと探していたら、一時話題となった「資本主義はなぜ自壊したのか」 中谷巌著 集英社インターナショナル発行 を書棚で見つけ読んでみた。

 著者の中谷巌氏は、構造改革の急先鋒であった著者が何故自説を転換するに至ったかを述べている。本書の前書きの一部を引用すれば、『グローバル資本主義は、世界経済活性化の切り札であると同時に、世界経済の不安定化、所得や富の格差拡大、地球環境破壊など、人間社会にさまざまな「負の効果」をもたらす主犯人である。そして、グローバル資本が「自由」を獲得すればするほど、この傾向は助長される。』とある。

 小泉政権発足以後、構造改革に邁進してきた日本企業はグローバル競争に打ち勝つため短期間の内に雇用形態を変革し、正規社員以外の非正規社員や派遣社員を多く採用し、人件費を抑えながら雇用の調整弁として活用してきた。2年前には過去最高の企業収益を上げる企業も続出したが、グローバル経済の破綻により昨年は一転して大幅な減収減益となって今年3月期決算では大赤字を出した企業が続出した。

 筆者も10数年以上も遡る現役時代の頃から、多くの企業が社員の評価に成果主義を取り入れだして何か不自然なものを感じていた。日本企業で最初にこの成果主義を取り入れた会社はF社(通信機器メーカー)であるが、丁度グローバル経済で日本企業がこぞって人件費の安い海外に工場を移し、生産移転を始める頃からこの様な人事評価に成果主義が取り入れられる様になった。しかし、そのF社も成果主義の弊害に気づき軌道修正をしていると聞く。
 最近のマスコミなどで報道されるサラリーマンや工場で働く社員は、成果主義の弊害で職場の人間関係もギスギスし、日本企業の特徴であった互いに協力して全体の成果を向上させていくという協調の精神が失われて来ているのではないだろうか。

 日本も戦後の荒廃した時代から、国の再建時期を経て高度経済成長期を迎えるあの時代、国民生活レベルはまだ豊かさを充分に享受出来るほどではなかったが、会社で働けば毎年給与も少しづつ上がり、生活水準の向上が実感できたあの頃、公団住宅(2DK)に住み、平均的な国民の生活レベルも横並びで、働く意欲があれば自由に職業を選べて、収入も増えて「三種の神器」といわれた洗濯機・テレビ・冷蔵庫を購入出来た1億国民総中産階級の時代が、所得格差も一番少なく実に平和で将来に希望の持てる良き社会であったと思う。

 しかし、戦後64年を経た今日の日本で国民は安心と安全が保障された豊かな生活が実現されたと感じているだろうか、否全くその反対である。グローバル経済の名の下に市場原理主義優先の構造改革(小泉内閣発足当時から)を推し進めた結果、所得格差が広がり、いままで日本人の間に存在していた相互信頼関係が薄れ、社会の安心と安全を保障する年金や医療保険制度も、監督官庁のずさんな管理体制の下で国民の信頼を損ねた。近年街中で起こる殺伐とした無差別殺人や、高齢者の犯罪増加、派遣切りに見られる弱者切捨てと貧困層の増大など社会不安は増加の一途である。

 少子高齢化に突入した日本で、将来的にも日本人が安心した社会に暮らせるためには、まず消費税を数年かけて上げて(5%→10~15%)目的税として使い、危うくなった社会保障制度を抜本的に建て直す(全ての国民に生活の最低保障を行う)事が必須である。現在の様な中産階級の所得減少と貧困層の増加は社会を不安定化し、貧困層に対するセーフティーネットの整備や就業機会提供のサポート体制の充実が必要である。

 明治以降の近代日本に於いても、国民の間に貧富の差が少ない社会の方が、日本人の精神構造も安定化していた。国民の大多数が平等であると感じていれば、他人に対する思いやりや貧しくともお互い様と助け合いの精神が培われてきたのだと思う。

 はからずも、今回の世界的な大経済不況で表面化した国内の社会不安は、政府の推し進めた市場競争原理優先政策が、国民の間に所得格差の歪を拡大させ将来に対する国民の生活不安をもたらしている。そのため国政及び地方行政に於いても年金、医療保険制度など社会保障制度の抜本改革が求められているし、少子化が急激に進む我が国において次代を担う世代に対して、安心して子育てが出来る税制改革や各種支援策など制度改革を推し進めるべきであろう。

 さて、冒頭の衆議院選挙の行方であるが、今国民が望んでいるのはこの閉塞感に満ちた社会を何とか良くして欲しいということではなかろうか。アメリカでも民主党のオバマ大統領が現れ「チェンジ」を旗印に、前政権のブッシュ大統領が出来なかった改革に果敢に挑戦をしている。就任前に勃発したアメリカ発の金融恐慌と世界への広がりを就任後の短期間の内に、解決の道筋をつけたオバマ大統領の行政手腕には希望を抱かせるものがある。

 日本国民も今年の衆議院選挙でどの政党を支持するのか、日本版「チェンジ」を実行し社会の閉塞感を打破してくれる政党に国民は期待する。次期政権を担う政党が政権公約「マニフェスト」の中でどれだけ国民の期待に応える政策を打ち出せるのか、国民の一人として与党と野党の政策論議には当分目を離せない。

(投稿:M太郎)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

世界規模の大不況を抜けた次の世界は?

 今年のゴールデンウイーックも5日現在、残り1日を残すのみとなった。
昨年から続くアメリカ発のサブプライムローン破綻が引き金となった世界規模の大不況と先月ぐらいから騒がれだした豚インフルエンザの発生によって、経済と病原菌のダブルパンチで、折角のゴールデンウイークも遠出を避けてローカルイベントなどに家族連れで参加して地元再発見を体験したり、また一方では政府の経済対策として打ち出した高速道路料金一律1000円の制度(土日休日のETC車対象)を利用して、この休日に帰郷や観光地に出かける人たちも多かったのではないかと思う。

 政府も国内の不況対策については、過日13.9兆円規模となる補正予算案も衆議院を通過し、後は参議院の採決によって、もし野党が多数を占める参議院で否決されても衆議院で再可決されれば、予算の執行は可能となる。
 大手企業への政府融資(日本政策投融資銀行)や、中小企業に対する政府機関を通じたつなぎ融資も少しづつではあっても動き出している。また昨年から一時大きく騒がれた派遣労働者や非正規社員の住居確保、失業問題についてもまだまだ充分なセイフティーネットが整備されたとは言えないが、政府や自治体が失業に苦しむ彼らを救うべく取った救済処置も動き出している。

 日本企業の本年3月末決算報告では、上場企業の過半数以上が赤字または大幅減収・減益となっている。これは製造業を中心とした米国市場への輸出依存度が(日本及び第三国を経由した輸出)欧州など他国より多いため、米国の経済大不況の影響をモロに受けて原材料から中間材、最終製品に至るまで大きな販売不振に陥った。

 近年日本の製造業は自動車産業に関連した事業に大きく依存する体質に転換してきており、世界最大の自動車市場であるアメリカが落ち込めば、日本の主要自動車メーカーにとって販売減は大打撃である。

 昨年9月頃からサブプライムローン問題が表面化して、銀行や証券会社の破綻に続き、住宅・小売から自動車販売まで大きく落ち込む中で、自動車メーカーは急激な在庫調整に走り、海外・国内の工場では昨年10月ごろから今年3月にかけて生産調整を図るため工場閉鎖を実施したり、残った工場の稼動率を落とし、月に何日か工場を休んだり、余剰となった非正規社員や派遣社員の雇い止めに走って、猛烈に製品在庫調整に向かった。

 自動車市場の主な輸出マーケットはアメリカとヨーロッパであったが、中国や新興市場のインド、ロシア、中南米なども世界大不況の影響を受けて販売が落ち込んでいる。しかし中国は世界的な大不況から国内経済を守るため、今まで輸出で溜め込んだ膨大な資金を、国内の内陸部などにインフラ整備や農村振興策に重点投資を進めて国内経済の活性化に取り組んでいる。新聞によると内陸部の中国国民でも融資を受けて家電製品や自動車を購入する国民が増えているとあった。

 今や日本にとって中国の自動車市場は最重要市場である。しかし、中国国内で売れる自動車は国産品が過半数を占め、残りを日本を含む外国メーカーで占有率を争っているとの事である。何故中国市場で日本車は売れないのか、それは国産品に比べてブランド力や品質が高くても、価格が国産品に比べて大幅に高いのである。

 Nano 今世界で話題をさらっているインドのタタ自動車の「ナノ」620ccクラスで22万円で今年から販売されると言う。昔日本の自動車市場(今から40年~45年ほど前)で国民の所得が上がり普通車購入が出来る時期が到来するまでの間、スバル360やホンダN360などの軽自動車が良く売れたが、世界の新興国市場では当時の日本の自動車市場の環境に当たるのだろう。

 現在は、地球温暖化に伴って二酸化炭素(CO2)を排出しない、環境にやさしい自動車が求められ、従来のガソリン多消費型から省エネタイプの車が市場で生き残っていく。過渡的には日本が先行しているハイブリット車が優位に立つが、最終的には水素ガスをエンジン内で燃焼させ完全無公害型自動車や自動車用バッテリーの高性能化により家庭や街中のコンビニスタンドで充電できる電気自動車が普及する事となる。そうなると自動車を構成する各パーツ(車1台で1万点以上にも及ぶ自動車部品が必要)も、今までの自動車産業の部品製造メーカーだけでなく、他業界からも自動車の新市場に新規参入する事も多くなって、現在日本国内にある自動車メーカー12社は、早晩集約や再編成されなければ生き残れない。

 極端に言えば、環境にやさしい車は動力に電機モーターと高性能な蓄電器を搭載したメカの構造がシンプルとなる車体構造に変化して行く。現に電機自動車市場ではアメリカで新興のベンチャー企業が電機自動車を開発しアメリカ市場で販売し成功しているそうである。そうなると従来の自動車メーカーの独占から、他業界の新規参入やベンチャー企業などとの激しい市場競争が行われ、家電製品に見られる大量生産・大量販売によって年々販売価格は下がる厳しい自動車市場の環境になるのではないかと想像される。

 環境にやさしい車を望む世界中のユーザーにとっては、市場競争によって品質の良い電機自動車が安価に手に入るようになれば大喜びである。世界中ではいまだに運搬手段としてロバや牛、馬などに頼っている人々も大勢いるわけで、貧しい国の人々が、外国から援助を受けて鉄道や道路などインフラ整備が進んでいけば、人の移動や経済発展の恩恵も受けられて国民生活も向上していく。ある程度生活が向上して行けば、現在インドで起こっている様に中間層が多く育ち商品購買力も伴って国の国力も向上していく。

 2006年にノーベル平和賞を受けたムハマド・ユヌス氏、バングラディッシュの農村で貧困層に無担保融資を続けてきたグラミン銀行と、同銀行を設立したムハマド・ユヌス総裁、貧しい農民が自立する手助けの成功例を示し、世界中の最貧国でも制度導入が期待されている。彼の進めたマイクロクレジットとは、少額無担保融資で工芸や畜産、農産物の加工、小売業などの小さな事業を興すために必要な数ドル、数十ドルという少額の資金を、資産や土地などの担保を持たない人に貸し付けるという事業である。その国の政府が貧困者を助けるために一時的な救済処置をとっても、支援が無くなれば元の木阿弥。それよりも当事者がマイクロクレジットの様な制度を利用して、貧しい人々が自立する事を手助けする制度が貧しい国にとっては有効である。

 従来の資本主義市場で行われている株式や証券投資などの資金調達や運用方法が、一部の金融関係者や資産家、事業家などの貪欲な利益至上主義的な行き過ぎが、今回の世界的な経済大不況を引き起したのであり、金融市場ではイスラム社会のイスラム金融制度が最近注目されている。

 イスラム金融とは、イスラム法(シャリア)に則した金融取引で、金利という概念を用いない点である。教典「コーラン」では利子の受取が禁じられている。
また、取引相手などの当事者が教義に反する事業(豚肉、アルコール、武器、賭博、ポルノ等)に関わっていないことが求められる。
イスラム金融の各取引が提供される際には、各金融機関等にに設置されているイスラム学者委員会が取引の詳細を調べ、シャリアに適していることを事前に認定している事が必要である。
イスラム金融の仕組み: http://www.jcif.or.jp/docs/20060908m.pdf

 いわゆるイスラムの教えに従い、金利収入を追及するのではなく、別の形で利益を還元する仕組みである。少なくとも資本主義市場の様な行き過ぎた、取引は何でもありでは無くて、商取引には一定の歯止めがかかる仕組みである。今回のサブプライムローン問題に関連した無秩序な金融取引を世界的にも、再発防止を図るため一定の規律と取引に制限を設ける検討が進んでいる。

 連休中に放送されたNHK緊急インタビュー番組(5月4日・5日放送)でジャック・アタリ氏のインタビュー第一回「危機の確信とは何か」第二回「世界を襲う5つの波」の第二回「世界を襲う5つの波」の放送を見ることが出来た。

 第1の波は、アメリカ支配の崩壊 第2の波は、多極化秩序 第3の波は、グローバルなルールと統治が必要になる 第4の波は、超紛争。21世紀は世界の多極化により、秩序が混乱し世界中の至るところで紛争が起きて、大変な混乱が生じるだろうが、その混乱の中から調和と共生をめざして新しい経済活動が始まるだろうと述べている。
第5の波は、超民主主義。さまざまなテクノロジーを利用しながら、超民主主義という、国家を超えた世界全体の調和と発展を目指す民主主義が台頭し、彼の言う究極の21世紀とは利他主義に基づく博愛の精神が、世界中に紛争をなくし、世界中の人々が豊に幸せになる世界を築くことができると述べていた。

 フランスの経済学者・思想家・作家でもある、彼の著書「21世紀の歴史」が話題となっている。アタリ氏の未来学/文明論/国際政治論は、欧州の存在意義を強く意識して、アメリカ中心の見方とは異なる点を有しているのが特徴といわれる。
 ジャック・アタリ氏は現在もNPOを立ち上げ貧しい人々の自立を助ける活動を、前述のマイクロファイナンス制度を活用して、アフリカ・チュニジアのチェニスで広く活動を行い成功を収めている。

 NHKの緊急インタビュー番組を見て、ジャック・アタリ氏の著作やインタビュー内容に興味を感じ、このブログを書くため関連する情報をネットで収集している内に、この番組に対する反応が直ぐにネットで流されているので少し驚いた。興味のある人は”ジャック・アタリ” ”「21世紀の歴史」”などのキーワードで検索してみると今まで知らなかった色んな情報にめぐり合える。

(M太郎)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

大不況下の就職活動について

Kaigara_park 日本人にとって、4月は特別の月であろう。例年3月半ばごろから日本列島の西の方では何時さくらの開花が始まったとか、関東地方ではいつごろ開花するかとか。これほど桜の開花に一喜一憂する国民も世界中では少ないのではなかろうか。

 今年の桜の開花は、鎌ヶ谷市内でも例年より少し遅れたが市内の小中学校の入学式には丁度桜が満開の時期に重なり、最高の入学式を迎えたのではないかと思う。

 さて、この世界的な大不況の本年、日本の企業においても厳しい経営環境の中で将来を担う人材を確保するため、採用人数を絞ったとはいえ、全国各地で新入社員を迎えて経営トップから、新入社員に対する期待と企業人としての心構えを説かれた話が多かったのではなかろうか。会社からもらった採用通知の通り入社できた社員は幸せな部類であるが、入社直前に採用取り消しや、内定通知を出しておきながら後日採用取り消しを理不尽にも通知してきた企業も数多くあったと聞く。

 大学生なら早い人なら3年生の春頃から就職活動のため、資料集めや会社説明会に多くの時間を取られて、本来ならば学生にとって一番大事な学びの時を犠牲にして就職活動に走らざるを得ないこの現実。これも企業側の都合で優秀な学生を他社より早く確保しておきたいとの思いで、企業側の都合で学生の青田刈りに走る。
 
 やっとの思いで採用通知を受けた学生たちにとっては、入社直前で採用取り消しを告げられ、将来への希望を立ち切られた学生たちにとっては、目の前が真っ暗でこの先どう対処すればよいのか分からず、途方にくれている人たちもおられるのではないかと思う。

 不幸にして、就職できなかった学生や直前になって採用取り消しの通知を受けた学生の方達も、現実を受け入れ新しい道を探すことも必要ではあるまいか。例えば好況時には見向きもされなかった高い技術力や知的財産を有する中小企業では、この期を好機と捉え、優秀な学生の採用を渇望している。また、この様な時こそ将来の自己実現に向けて、20年後30年後になりたい自分はどのような姿かを思い描き、それの実現に向かって学問や技術習得に努めることも必要ではなかろうか。

 筆者の経験でも、昔から企業30年説といわれることがあるが、一つの業種においても年々技術革新や経営環境も変わっていて、それに対応できない企業は自然淘汰される運命にある。学生が就職した時期にもっとも成長が高いといわれた企業でも30年も経過すると企業としての成長力を維持するのは至難である。場合によっては既に市場から撤退しているかもしれない。
 明るい材料として、グローバル市場競争の下で日本は環境や省エネルギー分野では世界的にも、技術力でかなりリードをしている。地球環境を守るこの様な技術分野や商品開発分野において、日本の製造業は有利な立地条件のもとにあるのではないか。

 日本の製造業が自動車や電機の輸出主導で高成長を遂げてきた一昨年から一転、アメリカのサブプライムローンに端を発した世界同時不況が瞬く真に日本の製造業に波及し、海外市場で製品が売れずに在庫が急増し、その対策に国内・海外工場の在庫調整を急激に進め、部品メーカーや1次下請けや2次下請けなど部品製造業者の生産調整、工場労働者の大量解雇に至る影響が現在の世界的な経済不況の原因の一つともなっている。

 確かに、アメリカ発の金融問題や不動産バブルが原因となって、個人消費の急激な落ち込みにより、世界的に商品が売れなくなって経済波及効果の高い製造業の落ち込みと在庫調整が進まない限り、大不況の底入れも難しい。大方の経済専門家の予測では今年1~3月頃に底を打ったことが年半ばごろまでに確認できるのではないかと言われている。経済の回復時期は年後半から2010年半ば頃までバラツキがあるが、いずれ経済が回復局面に向かうであろう事は疑いの余地はない。しかし、その時期に市場が求める物は従来型のエネルギー多消費型の商品ではなく、地球環境にやさしい省エネルギー型商品や、環境汚染の少ない商品しか売れない劇的な市場変化が起こっているものと考えられる。そうした市場の要求にいち早く対応した企業や製造業のみが新しい市場環境の変化に生き残って行ける。

 さて、前述の学生の就職状況の話に戻るが、2008年~2009年の就職活動の環境は正に、今から13~14年前の就職氷河期の再来である。その当時に就職氷河期に遭遇した当時の学生達(団塊の世代2世)は今もって、かなりの人々が正規社員として就職の機会を与えられず、非正規社員や派遣社員、フリーターなどの不安定な生活を強いられている。

 彼らがこの先65歳になって定年時期を迎える頃には、現在の年金制度の維持が可能なのか大変不安である。少子高齢化も世界中で一番早く進み、現在のような未曾有の経済不況の中での失業者に対するセイフティーネットも不十分である。

 一方の少子化対策として政府は色々条件を付けて今年限りの児童手当を支給すると言うが、本当にこのような一時的な対策で少子化を防ぐ事ができるとでも思っているのだろうか。
 先進国の中でも、少子化対策が成功した事例がある。それはフランスで少子化に対する手厚い国の支援策が功を奏している。日本の場合2005年統計の合計特殊出生率は1.25(一人の女性が一生に産む子供の数)が、フランスでは1.92に達した欧州でもトップクラスに位置する。そして、「子供二人以上」を誘因する手厚い少子化対策と収入に関係なく支給される家族手当や教育費の負担がはるかに軽く、子供を産み育てやすい環境にある。

 更に、65歳以上の高齢者は年々増加の傾向にあり、2005年の国税調査結果によれば日本の人口(1億2776万人)に占める65歳人口は2682万人(21.0%)と非常に高い数値を示している。また人口予測によれば2025年(平成37年)には65歳の人口構成比が28.7%、2050年(平成62年)には日本の総人口は1億6百万ほどで65歳の人口構成比が35.7%になると予測されている。

 日本の将来を考えると、少子化と生産労働人口の減少、65歳以上の高齢者割合が世界一高い人口構成が見えてくる。これからの10年は日本の将来を見据えた健全な成長を持続できる、日本独自(省エネ・自然エネルギー・環境・介護ロボット・先端医療・IT教育など)の先進的な成長モデルを政府や企業、産業界、行政など官民一体となった取り組みが強く求められる時期に来ているのではないだろうか。

(M太郎)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

政治の混迷に思うこと

 桜の開花情報も昨日九州で今年初めて開花したとの気象庁から発表があった。今年は1月が寒くて2月は平均気温が高かったため、3月21日ごろからと開花の時期と例年より1週間ほど早まるそうである。

 さて、混迷を深めている政局であるがつい先月頃は与党の麻生政権は18%まで支持率が低下して、衆議院選挙では麻生首相とのツーショットでは選挙に勝てないと、ポスターの写真撮影に誰と撮るかが話題になったりしていたが、3月に入って地方検察局特捜部による民主党党首秘書の政治献金偽装問題で、にわかに永田町周辺が騒がしくなってきた。新聞やNHKの世論調査によると野党民主党の東北地方の建設工事受注便宜にからむ政治献金疑惑については、厳しい見方が広がり今まで今度の衆議院選挙では、野党の民主党が政権奪還かとの予測が多かったがここに来て少し雲行きが怪しくなってきている。

 小沢党首の強気の発言とは裏腹に、政治献金疑惑は一向に疑惑を払拭できず、地検特捜部の秘書の起訴が拘留期限までに出されるか否かが注目の的となっている。
 世論調査に見られる様に、政治家の献金疑惑については国民の目は厳しいものがあり、通り一遍の説明で国民が納得する程甘くはない事を肝に銘じておくことである。与党自民党にも同様の政治献金疑惑を受けた有力議員もいて、今のところ野党の敵失にはだんまりを決め込んでいる不思議な政治の世界である。

 昨年から続く、この未曾有の世界大不況のさなかに日本の政治は思い切った経済対策が打てづに、計画は決めても国会承認の問題でなかなか実行に移せづ対策が、他国に比べて後手後手の有様である。大手企業の業績不振から人件費抑制のため非正規社員や派遣労働者の契約打ち切り(雇い止め)が全国的に拡大し、多くの解雇された労働者が住まいも、その日の食費にも困り救済を求めて地方自治体や職業安定所に駆け込んでいる。労働者の雇用を守るため一部企業ではワークシャリングによる解雇防止と実質的な賃金引き下げに伴う補填策を、政府の雇用・失業対策(雇用調整助成金)に期待した申請が増えているといわれる。

 先日新聞を読んでいたら、お隣りの韓国では低所得者や生活困窮者に対して月々5万円ほどのお金とクーポン券を支給して生活支援を実施するそうだ。日本国内ではもめにもめた定額給付金が漸く3月~5月ごろに全国で支給が開始されるようだが、国民全員に一律支給するよりもう少し工夫をして、本当に生活に困っている人々を救う手段に大枚2兆円のお金を有効活用できなかったのかと素人ながら、今でも疑問に感じている。

 このところTVを見ていても、暗い報道が多すぎる。日本は既に少子高齢化社会に入っているといわれるのに、これから将来を担う子供達の生活が低所得者の家庭では、一家の主が失業で子どもが病気をしても医者にもかからせられない、仕方がないので学校の医務室で手当てを依頼しているとか、子どもが高校に進学しても授業料が払えなくて経済的な理由で中途退学せざるを得ない状況である。しかたなくアルバイト先を探そうとしても高校中退ではアルバイトにも付けないなど全く悲惨な状況である。

 NHKの取材によれば子どもの中学校卒業まで医療費の県内無料の制度を群馬県で平成10年度には導入するそうであるが、これは全国レベルでは本当に稀な例でそれさえも、実施年には県の税収不足で問題を抱えていると事であった。

 この様な時こそ、政府が子どもの教育や医療問題にキチット対処できる予算の重点配分など緊急にすべき事ではなかろうか?いっその事、中学校までの義務教育制度を改めて高校まで義務教育制度に改め、幼稚園・小学校(8年間)と中・高等学校(7年間)の二つの義務教育期間に変更してはどうかと思う。特に中学から高校に入学するまでに高校入試の受験勉強に多くの時間を費やし、本来若者がこの青春期に自我を確立するこの時期を大切にしたいと思う。

 従来の日本の外需(輸出)に70%近く依存した経済政策をもう少し内需拡大の手を広げて、高齢者が多い農業や林業、漁業など人材不足の部門に、中高年の失業者やフリーターなど若者の雇用確保に大胆な予算配分をするなど考慮すべき時期ではないかと思う。

 以前、報道で取り上げられていた日・インドネシア経済連携協定に基づくインドネシアから受け入れた約200名は日本語の研修を終えて、全国各地の老人介護施設に派遣され各地の施設で実務についている。日本語研修を終えた人達の半数が介護士で特別養護老人ホームで受入、残りは看護師として病院で受入(インドネシアでは看護士資格を有している)されているが、この4年間に日本語で1回限りの受験で合格し介護士資格を取らなければ、結局、本国に帰国しなければならないと言う。

 どうも良く分からないのは厚生省が本気で不足する介護士を補うため外国人の介護士を受け入れるつもりがあるかである。(介護資格が必要であればせめて母国語で受験でき、介護事業所での業務に差し支えが無いかの専門用語と日常会話レベルの検定を行えば良いのではないかと思われる。)介護を受ける日本の老人も同じ日本人に介護を望んでいるのが本当のところではないだろうか。

 実際に介護の現場で人材が不足しているのに人が集まらないのは、他の労働者と比べて余りにも給与水準が(平均的には10~15万円ほど低い)低く、いくら介護の仕事にやり甲斐を持っていても、将来の生活設計が描けない様な制度ではこの問題は解決ができない。国や県は高齢者対策や若者の雇用確保対策として、介護分野に思い切った予算を振り向け、少なくとも給与水準の不足する部分は補助金として介護者が直接受給できるような仕組みを検討すべきであろう。(この直接受給の仕組みは介護事業者に支給しても途中で中抜きされる恐れがあるからである。)

 こうして、ブログを書いているといつの間にやら”ボヤキ”の口調に陥っているのは情けないが、多分読者の多くの方々も同じ様な感想を抱いておられるのではないか。世の中の不公平感、弱者切捨ての無策な政府など問題解決が出来ない閉塞感に苛立ちを覚えているのではないでしょうか。

 最後に、少し明るい話になるかもしれないが、先週の株式市場を見ているとアメリカの金融機関が従来予想を上回って収益が改善しているとか、小売の販売が意外と底堅いなどの要因で、先週は4日間連続でダウ平均は上昇し7,223$まで回復した。その影響で日本の株式市場も大きく値上がりし、週の初めに日経平均7,054円で一時は7,000円を下回ったが、週末には7,569円とかなり持ち直してきている。日経平均の25日移動線(7,488円)を少し上回ったからと言って、本格的な相場上昇に繋がるとはまだ思えないが。

 世界的にも自動車メーカーの生産工場の縮小や急速な在庫調整も進み、年後半には生産もかなり持ち直すのではないかと期待がされている。川上の自動車産業が持ち直せば、川下の素材産業にも生産回復の兆しも出てきて、国内産業も年央から年末頃にかけ産業の回復が期待される。この様な時期に産業を牽引するのはやはり技術革新が進んでいる先端産業分野であろう。

 ホンダやトヨタが2009年~2010年にかけて200万円を切ったハイブリット車を市場に投入し、既に価格面で200万円を切って先行しているホンダのハイブリット車の受注が好調であると報道されている。また国の補助金が出ている家庭用太陽光発電装置が好調である。環境に関連した風力発電、海水の真水化、水の浄化装置、土壌汚染を解決するナノサイズの鉄の粉末が今まで困難であった土壌汚染を低価格で提供できるといわれ、更にダイオキシンなど猛毒の分解にも有効であると報道されており、世界的な環境ニューディール政策に適合できる技術力を持った企業がこれから成長し、生き残っていくの行くのではないだろうか。

 幸い、日本の環境技術については世界的にも技術力や研究で先行しており、この分野に関連した多くの産業が新たな事業の芽を生み出していくのではないかと期待をしたい。

(富夫)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

どうする失業対策?

あけましておめでとうございます。

 「かまがや我ら団塊の世代」ブログを訪問された皆さんは、どのような新年を迎えられ初詣でどのような事を神様にお願いされたのでしょうか。
我が家では、市内の神社にお参りして家族の健康と家庭の安寧をお願いしてきました。

 年始明けの5日から、日本市場も動き出した。大初会ではご祝儀相場もあってか日経平均9000円台を回復、昨年12月25日から連続してその後も株式市場は1月7日まで7日連続で上がり続けた。さすがに8日には日経平均が8800円台まで大きく落ち込んだが、1月20日のアメリカ新大統領の就任式と年頭教書の発表まで、どのように世界の株式市場は動くのだろうか?

 新年の新聞各紙を見ていると、大企業の経営トップの方たちの2009年株価(日経平均)予想では6000円~15000円まで、大きく値動きがあると見ているようだ。5日から国会も始まり与党の経済対策の目玉となる生活支援定額給付金や派遣やパートなど非正規雇用者の失業問題など与野党間で激しく論戦が展開されている。TVの国会中継や民放番組での政治家をゲストに迎えたトーク番組も、国民の関心を引き付けているのではないだろうか。

 この非正規社員の失業問題は、日本の輸出産業を担う大企業が昨年9月から表面化した世界同時不況の大波に飲み込まれ、海外市場で自動車や電機メーカーが市場の急激な需要減に見舞われた。特に輸出がメインの大企業は労働者の雇用調整弁に今まで非正規社員を大幅に増やし需要増に対応していたのが、海外市場の急変で生産調整のため非正規社員の契約打ち切り、大量解雇を短期間の間に実施した。

 解雇された多くの非正規社員は転職先も、住むところも、さらにはその日の食事代にも困る極貧生活に追い込まれた。それが年末、多くのマスコミに取り上げられ本来ならば政府や行政の仕事であるべき、失業者の救済処置が全くもたもたしている間に、いち早く労働組合や日本労働弁護団の有志、NPO団体のなどが日比谷公園内に「派遣村」を開村した。厚生労働省はようやく重い腰を上げ、都内4カ所の公共施設を開放して失業者らに「年越し派遣村」の場を提供し、食事と寝る場所を提供した。失業者らが宿泊する公共施設は12日が使用期限でその後は都内の生活保護の施設や路上生活者向けシェルターを紹介すると報道されている。

 本来であれば、日本経済の大不況時には失業者に対するシェルターを政府や行政側が、自然災害による緊急避難場所や支援対策と同様に前もって予算処置を講じ、国民の生活を守る安全網を準備しておくべきことである。日本社会は戦後の荒廃から国民が立ち上り、産業や国民生活復興に向けて賢明に働き、そのお陰で富の配分も世界の多数の国に比べて比較的平等に行われ、国民の間に貧富の差は余り生じなかった。しかしアメリカ流の自由競争、自己責任の下に金に対するグリード(貪欲)で無責任な人々の行動が、結局今回のような大経済不況を引き起こし、日本社会を不安定な世の中にしているのではなかろうか。

 昨日(1月8日 木曜日)、NHKの「クローズアップ現代」で番組は「故郷(ふるさと)はよみがえるか ~検証・過疎対策の大転換~」 を放送していた。
 今年3月に国の過疎対策が大きく変わり、従来の公共事業中心の「モノによる支援」から、「人による支援」へと大きく転換すると言う。過疎に悩む全国の集落に専門の相談員を置き、集落の課題や要望(例えば、高齢者の交通手段や農林業の人手不足など)を聞き取る。そのうえで対策案を作り、市町村と連携して実現を図る「集落支援員制度」を導入すると言う。その人件費や活動費を国からの交付税でまかなう仕組みだそうだ。
 この番組を見ていて、地方では過疎地の高齢化が急速に進み、いくら公共事業を起して道路や設備を整備しても若者や新しく人が過疎地に定着しなければ、どんどん過疎化は進みその地に居住される人々も村の活力が失われ、元気が無くなって行く。

 先日も、政府のお役人が現状を正しく認識せず、非正規社員の失業問題に対して全く不謹慎な(働く意欲の無い人がいる)発言をされて、大きな問題となっていたが、20歳代後半から60歳代までの非正規社員の方で、現在失業中の方々に対して、働く場の提供先としてこの様な地方の過疎地への臨時派遣(国と行政とが連携して)を行い、地域高齢者の活動支援など余剰労働力の吸収策を早急に考え、実行してはどうかと思うわけである。派遣者の中には地方過疎地の生活に意義や遣り甲斐を見出し、定住を目指す人達も出てくるかも知れないわけである。

 都市部や工業地帯に集中した非正規社員の方たちも、仕事がある内は何とか生活しているが(正規社員に比べて賃金が低く、収入が不安定なため自立するだけの十分な貯蓄も出来ない。)、今回の様な急激な労働環境悪化の中では、その日から生活に困ってしまう。収入は少なくても、国の過疎地対策費などを収入の一部として、物価が安く生計維持に比較的困らない地方の過疎地で働き生活基盤を考えてみる逆転の発想も必要ではないかと思われる。

 国でも就労人口が少ない、農業、林業、漁業、介護、福祉分野に余剰労働力の活用を考えているようだが、こんな時こそ、2兆円もの生活支援定額給付金(巷では与党の選挙対策ともで言われている)をバラマクのではなく、必要なところに集中して資金投入を図るべきではないかと大多数の国民の感じているのではないか?

 今年3月頃には更に契約期間切れで非正規社員が8万人ほど増加するとも言われている。さらには外国から出稼ぎに来ている外国人も2003年時点で不法残留者も含めて100万人近く国内に居住している。これらの外国人の人達の出稼先の仕事が無くなればどうなるのか?
 失業に伴って、母国に帰れる出稼ぎ外国人はまだいいが、帰る旅費も無い人達は一体どうなるのだろうか?日本人の非正規社員の失業問題にさえ政府のセイフティーネットがしっかりしていない中で、大量の出稼ぎ外国人の失業問題を放置しておけば国内の治安は、急速に悪化するのではないだろうか?出稼ぎ外国人の出身国の大使館・政府とも交渉して失業者の帰国支援策など検討すべきではないかと思われる。

 最大の消費国、アメリカのオバマ新大統領が20日に就任する。雇用問題を最大の問題として環境ニューディール政策を打ち出し、今後10年間に莫大な資金を投入し新しく300万人の雇用を創出すると言う。今のところアメリカの株式市場もオバマ期待効果で9000ドル台を一時回復したが、就任後100日間は新政権への蜜月期間で政権批判は控えられるが、その後は政策の実行次第で、過大な期待が失望に繋がる危険も内に含んでいるわけである。

 何事もアメリカの動向に左右される日本政府であるが、この様な時こと日本独自の政策を実行、外交政策でもアメリカに同盟国として忌憚の無い意見・政策を提言してみてはどうだろうか。

(投稿:M太郎)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

世界同時不況時の生活防衛策は?

 Bdxmas5 今年も残すところ20日余りとなって、徐々に師走の慌しさが感じられるこの頃である。

 アメリカで低所得者向け住宅ローンの支払いが2007年夏頃から滞り、ついに今年の9月にサブプライム(住宅)ローンの信用破綻が起こり、住宅バブルがはじけた。

 その上、この様な信用力の低い住宅ローンを複雑な証券化商品に仕立ててリスクのチェックも出来ない状況で、世界中に証券化商品を販売をした結果、サブプライム(住宅)ローンの信用破綻に伴って、アメリカの大銀行・証券会社も経営破綻や経営統合に追い込まれた。この証券化商品を購入した世界中の金融・証券会社は莫大な損失を被り、各国政府が大胆な救済策を打ち出している。
 100年に一度と喩えられる様な、未曾有の世界同時不況が世界中を襲い、世界経済の立ち直りには少なくとも今後2~3年程かかると経済の専門家達が指摘している。

 バブル崩壊の前には、原油価格が商品先物取引により異常に値上がりして、一時は国内販売のガソリンが180円/Lを超えるまで高騰し、また鉄鉱石や希少金属類も中国企業の旺盛な需要により、資源輸出国からの輸入価格も大きく高騰して、自動車産業や電機産業への原材料供給メーカーから納入価格の引き上げを要求するなど異常な事態となった。一時バイオ燃料に使うトウモロコシの需要が急増して、輸入穀物価格が高騰して、国内の食料品など生活に影響する食品の小売価格が値上げに追い込まれた。

 そこに来て、7月頃から少し株式の日経平均値なども下がり始め、9月には住宅バブル崩壊が表面化したため、あっと言う間に3ケ月連続して株価は大きく下がり、世界中の株式市場が大暴落である。10月27日の日経平均7,162円が今のところ底値の様に見えるが、これとて一時的な値で実態経済への影響次第では、更に下値を付ける可能性も捨てきれない。

 我々の様なリタイヤー世代では、僅かな蓄えの中から一部投資(投資信託や株式)に振り向けた個人投資家も多く、今回の大暴落で虎の子の個人資産も大きく減少し、生活への影響は深刻でこの先どうすれば良いのか途方にくれている人達も多いのではないだろうか。

 サブプライムローン問題に揺れるアメリカ市場を横目に、日本は金融機関も住宅バブルに関連する証券化商品の扱いも低く、アメリカほど被害は起こらないとの経済専門家やマスコミの見通しであった。しかし時間が経つにつれ、大銀行も大手証券会社も証券化商品による被害が徐々に表面化して大きな損失を被っている事が判明してきた。

 日本の様に、輸出で稼いでいる大手企業は世界大不況で、急激な市場変化(需要の急激な落ち込み)と為替変動(90円台の円高)に見舞われ、その対応に振り回されている。ましてやその下請けとなる中小企業では、下請けの仕事が大きく減少し、金融機関の貸し渋りなどにより資金繰りに行き詰まり、これから倒産件数も増えて行くのではないかと心配される。

 巷では、大企業においても不況による生産調整で、非正規社員や派遣労働者の大量解雇が問題となっている。このような時こそ、政府の出番と言うのに麻生内閣は迷走し、与党の解散も出来ず、国民一人ひとりに生活支援金名目で支給すると言われた支援金もいつ支給されるのか時期も定まらない。企業から解雇された非正規社員や派遣労働者の方々はこの年末路頭に迷う状態である。今は与野党がねじれ国会で経済対策への政策決定と実行にもたもたしている時期ではない。

 アメリカの次期大統領となるバラク・オバマ氏は来年1月を待たずにこの緊急事態に対処する、政権の重要ポストを次々と人材抜擢を行い着々と手を打っている。大統領就任直後から大胆な経済対策と雇用創出の政策を実施していくものと見られる。もたもたしていると日本の経済不況脱出がアメリカよりも遅れる事態になるのではないかと心配するばかりである。

 最近の世論調査でも、麻生内閣の支持率は25%まで低下し、まともな政権運営が出来ない状況であり、自民党内にも現内閣に公然と批判する議員も現れ、国政から目が離せない。
 これは国民が今の政権では日本を救えないと感じているからであり、国民の信を問う総選挙を速やかに実施して、選挙で選ばれた正当な次期政権に日本経済の建て直しを委ねるべきであると思うこの頃である。

  Bdxmas13_2 今年は、世界的な大不況に突入して失業の恐れや、消費者の生活防衛のため大幅な販売減でメーカーも流通業界も急激な需要減に各社対策に必死である。しかし悪いことばかりではない。12月には日本人4名のノーベル賞受賞と言う快挙があった。理論物理学の分野や化学の分野での受賞である。世界の温暖化問題に対処する太陽光発電パネルや蓄電装置また二酸化炭素の排出を抑制する自動車用リチュウムイオン電池の小型大容量化技術なども、日本国内で技術開発が進み世界に貢献できる優れた分野である。21世紀前半迄には革新的な発明や技術開発により、世界が抱える貧困問題や環境問題、老齢化による先進国の医療・介護問題などが解決される事が期待したい。

 先日、市内に在住するボランティアの方々と忘年会を開いた。その中の話で鎌ケ谷市内には55歳~65歳までの人口が8000人近くおられ、この方たちもやがてリタイヤー時期を迎えて地元で日常生活を送るようになってくる。老後の生活を趣味・学習・旅行・スポーツなどで楽しく過ごそうとされる方も半数近くはおられると思われるが、残り半数の方で社会経験が豊富で知識やノウハウを持った方たちが、地元でボランティア活動やNPO活動に従事されるようになれば、来年から更に厳しくなる市の税収不足にも、民間の力やボランティアの力を借りて行政との役割分担を明らかにして、市民と一体となって創意工夫と新たな地元での雇用創出に努めて、行政の支出抑制に努める事が必要だと思う。

M太郎

| | コメント (0) | トラックバック (0)